2008年11月2日日曜日

上信越ラーメン遠征


雪が降る前に、我らが聖地の一つである新潟・燕市の「杭州飯店」に行っておこうと、11月1日に友人2人と車で繰り出した。今回は、能生の「あさひ楼」を再訪する関係で、中央自動車道から松本-白馬を経由して燕市に向かうことにする。


三連休初日ということもあって中央自動車道は車が多かった。八王子本線料金所付近は渋滞で抜けるのにかなり時間がかかった。そのために朝に行く予定だった上諏訪温泉はパスして、最初の目的地である長野の豊科駅前にある「小柴屋」に。ここは10時開店なので、松本近辺のラーメン行脚の開始点としてちょうど良い。基本の「ラーメン」(写真上)を注文した。豚骨ベースの醤油スープに鶏油が浮く昔ながらのオーソドックスな醤油ラーメンだ。人気店だけあって、その辺の食堂とは一線を画す味である。豚と鶏のやや強めの香りを、これもやや強めの塩味が上手にまとめていた。このためだけに高速飛ばして来る味とまでは言わないが、近くにいれば通いたくなる味である。豊科駅前ものどかな雰囲気で良かった(写真中上)。



続いて松本市内に戻って「俺らラーメンちょもらんま」に行く。ここは鯵を使ったメニューがあることで有名な人気店だ。しかしこの日は臨時休業で食べることはできなかった。残念だ。松本で代わりの店を探す案も出たが、時間も押してるので、そのまま「あさひ楼」に行くことにした。途中、大町市で北アルプスの風景(写真中)を撮りつつ国道148号線を進む。この道は、東京-糸魚川ファストランなどで使われる道だ。途中、姫川沿いにスノーシェッドとトンネルが数km続く区間があり、なるほどこれは自転車ではかなり厳しいと納得する。自然環境が厳しい地域なのは承知しているが、何とか自転車道を整備してほしいものである。



能生の「あさひ楼」は何とも独特なラーメンを出すところだ。玉ネギが入るところや味の方向性は燕三条系っぽいが、ここは背脂の代わりに多量のラードが入る。デフォルトでコショウが振ってあるのも独特だ。麺はと言えば加水率が高めのツルツル麺をこれ以上ないぐらい柔らかく煮込んである。正直、美味いか?と聞かれると答えにくいが、妙に後を引く味なのである。ちなみにメニューは「ラーメン」と「チャーシューメン」しかなく、入店時に店の入り口で注文するこれも独特なスタイルを採っているのでご注意を。私は基本の「ラーメン」(写真中下)を注文した。前回は5軒目に訪問したのでラードを身体が拒否して食べるだけで精一杯だったが、今回はまだ2軒目で美味しくスープまで完食できた。相変わらず不思議な味ではあった。



続いていよいよ本命の「杭州飯店」に。ここはもう多くを語る必要がない程の名店だ。酸味の利いた魚ダシの醤油スープに刻み玉ネギと背脂が多量に入り、そこに極太固めの低加水麺が加わる。背脂を増やす「大脂」にしても酸味のおかげでスルリと食べられる。「中華そば(大脂)」(写真下)を注文したが相変わらず美味い! なぜこの味が関東では食べられないのだろうか。


食後はこれまた恒例の「だいろの湯」で入浴。ここは、タオルセット付きで800円という料金や充実したアメニティも素晴らしいが、何といっても泉質の良さが魅力である。硫黄臭に満ちた高温の源泉を、非加温・無加水・無濾過で毎分80リットルもかけ流しているという贅沢さだ。かけ流す量が多いので、広い外湯(屋根付き)の浴槽でも湯のなまり感はまったく無く、至福の時を過ごせる。やっぱり温泉は硫黄泉だ。「杭州飯店」といい、「だいろの湯」といい、この近所の方は恵まれている。弥彦山もあるし自転車にも向いてるなぁ。積雪が嫌だけど。



その後、急きょ調べた三条市の「天狗屋」でまたラーメンを食べた。基本メニューの「黒天狗ラーメン」(写真最下)を大脂で注文した。食べてみてびっくり。スープは完全に杭州飯店と同じだ。酸味を前面に出したこういうスープを出す所は燕にも三条にもあまりないので、これは嬉しい誤算だった。麺は杭州飯店よりも柔らかめで、完全に「うどん」風。これはこれで美味い。今年(2008年)にオープンした店のようだが、末永く営業していただきたいものだ。


帰り道に高崎で高速を降り、もう一つの我らが聖地である「だるま大使」に向かう。しかし到着が23:30で残念ながらスープ切れ終了であった。まぁ、高崎は積雪の影響がほとんどないので、まだ訪問のチャンスはある。代わりに都内に戻り、久しぶりに代田の「なんでんかんでん」を訪問した。川原社長が接客していて得した気分だ。味的には、臭くて旨味が少なくてラードがベタベタしていて「まぁ、これが『なんでん』だよね」というものだったが、若干スープが濃い目だったのと、塩味が強くなっていたので以前ほどの低評価ではなかった。根っからの豚骨好きには、懐かしさを感じる味と言ってもいいだろう。ただ「豚骨の美味い店」としてここに最初に連れてこられると、雁屋哲のようなアンチ豚骨が生まれる可能性は高い(雁屋氏がアンチに至った経緯は知らんですが)。ちなみに「アンチなんでん」だった友人は、「結構うまいやん」と替玉を2つもしていた(笑) 以前のように行列で待たされることもないので、深夜にふらりと行く分にはオススメかも。美味い豚骨が食いたければ、足立の「田中商店」か松戸の「福々」あたりを推奨します。臭み好きなら「御天」か「よかろうもん」かな。「よかろうもん」は日によって当たり外れありますが。


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