2010年8月10日火曜日

Adobe Digital Editionsの出来が悪すぎる

あわしろいくやさんがEPUB文書の配布を始められた。スマートフォンや電子ブックリーダが必要ない生活をしていることもあり、特定の電子書籍のフォーマットにはあまり関心がなかったのだが、いいきっかけなのでちょっと体験してみることにした。


まずWindowsで閲覧しようとしたのだが、Adobe Digital Editionsでは本文が文字化けして読めない。なんと、本文が格納されているxhtmlファイルそれぞれのhtml宣言部分に言語指定を追加しなければならないらしい。確かに言語指定を追加すれば正しく日本語表示されるし、それが規格上正しい動作なのかもしれないが、どうにも不親切なビューアだ。言語指定がない場合は、ファイル構成を定義する「content.opf」の言語設定を仮定するとか、もう少し親切な動作があるんじゃないだろうか。


表示される文字も汚すぎる。アンチエイリアスもかかっていないし、フォントの変更も手軽にはできない感じだ。というか設定そのものがロクにできない。バージョン1.7.2なので開発版というわけでもないし、やる気がないということかなぁ。禁則処理には対応しているようだったが、文字間隔の調整がいまいちで、それも読みづらさを助長していた。


Linuxでは、FBReaderを使うのが一般的なようだ。こちらだと日本語も問題なく表示できるし、文字表示もかなり綺麗。設定も色々できて、禁則処理にも対応している。こちらの禁則処理は単語単位に間隔を調整するタイプだ。要は日本語のような分かち書きされていないテキストを考慮していないだけなのだが、基本的に行末だけの処理になるので、こちらの方がかえって読みやすい。もっとも英単語が文中にあると、ぎょっとするぐらい間隔が空くことがあるので、好みは分かれるかも。


FBReaderにはWindows版もあるから、Adobe Digital Editionsは捨ててこちらを使うことにしようと思う。(追記)あわしろさんのお勧めはFirefox拡張の「EPUBReader」らしいです。試してみましたが、こりゃ確かにいいですね。ブラウザの拡張機能の利用は基本的に避けている私ですが、EPUBは構成的にWebブラウザで見るのが自然ということもあり、これを使うことにします。


EPUBそのものについては、DRM抜きで見る限り、HTMLやPDFを凌駕するようなメリットは感じられなかった(そりゃそーだ)。ただ、作成に大して手間もかからないようだし、過去のコンテンツを公開するような場合には別に対応しても良いかもしれない。……しかしまぁ、今回のエントリは2010年に書くような内容じゃないですな。我ながら自分の新しもの嫌いに苦笑してしまう。

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