2010年7月26日月曜日

戦場ヶ原ひたぎの「ひたぎ」は「下木」ではないか?

友人と話をしたのがきっかけで、「化物語」のヒロイン・戦場ヶ原ひたぎの名前について調べたのを思い出した。正しいのかどうかは分からないが、結構当たってそうなので書いておきたい。

この「ひたぎ」という名については、作中で博識、完璧超人と設定されている羽川翼というキャラが「土木関係」の用語だと言っている。ネットでは「直切り」(ひたぎり)という言葉が元の言葉の候補に挙がることが多いようだが、これは刀などで「滅多切り」することを意味する語で、土木関係の用語とは言えなさそうだ。金属加工の用語には「まっすぐ切る」あるいは「直接切る」という意味の「直切り」があるけど、これも土木関係と言い切るのは難しい。しかも、この場合の読みは「ちょくぎり」「じかぎり」あたりになりそうだ。

ここで思いついたのが、「し」→「ひ」の変化が江戸などで一般的だったこと。そこで「したぎ」で検索すると「下木」(したき、したぎ)というのが引っかかる。これには木材の継手の下の奴という意味がある。まさに土木関係の用語ドンピシャじゃないですかね? また、「ひたぎ」という読みがあることに言及している書き込みも見つかる。

もちろん、まるっきり外している可能性もある。しかし、他にこれという候補がないのも事実で、かなり有力なのではと思っている。しかも「したぎ」説を採用すると、ガハラさんがやけに下着でウロウロしていることにも説明が付くかもしれない(笑) 西尾先生がどこかで答えを書いていないのだろうか。

(2013/08/12)
ついさっき気づいたけど、国会図書館のレファレンス協同データベースに、この件に関する埼玉県立久喜図書館のレファレンス事例が(笑) ネット上でのいろんな説を挙げてあって面白い。当ブログの説も紹介されている。

一個だけ反論させていただくと、江戸では「し」と「ひ」は混同されて使われていたのであって、確かに「ひ」→「し」となるケースが多いものの、「し」→「ひ」の変化も珍しくない(「ひおしがり」とか)。だから「逆」の一言では否定できないはず。まぁ、それは牽強付会の苦しい言い訳だとしても、関西など「し」→「ひ」の変化が見られる地域はある(「ひちや」とか)わけで……。まだだ!まだ終わらんよ!(笑)


4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めまして。
気になって調べていた所HITしました。
仰るとおり土木関係の言葉でひ→しと捉えた下木というのはご慧眼だと思います。
特に裏の意味、つまり暦の下木の意味があるのではないかと推測できますし、この説が最も有力だと思います。
ありがとうございました。

sueyasu さんのコメント...

>暦の下木の意味

ここは継手という意味で解釈すればいいのでしょうか。ならばロマンチックでいいですね
私のようにゲスい人間は真っ先に「下僕」と読んでしまって、「下僕なのは暦のほうだろ」とか突っ込んでしまいましたw

BB さんのコメント...

お返事ありがとうございます。
先のコメントをした者です。
言葉遊びが好きな作者さんだったと思うので、そうした意味を込めたのかな~と恥ずかしながら思いましたw
確かに扱われ方としては下僕ですがw、両者は継手となっているのかと思いつきましたw
何はともあれ考えるヒントを頂き、ありがとうございます。

匿名 さんのコメント...

正解かどうかは別にしてご慧眼と言うにふさわしいです。
私は建築屋でしたから土建屋にも知り合いが多く、大学の同期の土木の人に聞いても適当な言葉が見つかりませんでした。
古語あるいは死語的な表現なんだろうと思っていましたが西尾維新の間違いという可能性も捨てきれないです。