2010年7月13日火曜日

「さらい屋五葉」良かった

録り溜めしていた「さらい屋五葉」を一気見した。いやー、いいアニメでした。腕は立つが意気地が無い浪人が、営利誘拐の集団・五葉に不本意ながら加わることになり、メンバーとの関わりの中で成長して行く…と、ぶっちゃければそれだけの話で、殺陣シーンやカタルシスあふれる展開も無いのですが、シリーズ構成・演出の妙でグイグイ引き込まれていきましたよ。


まず、シリーズ構成が良いですね。興味を持つ側と持たれる側の立場の移動もスムーズだったし、登場人物それぞれの過去話、現在の生活などについてもきちんと描写されていた。浪人・秋津が仲間に受け入れられる過程も丁寧に描かれている。ラス前の「そう言わねぇと…」の台詞の使いどころもうまい。原作の漫画は読んでいないが、良くまとまっていたのではないでしょうか。さすがは望月智充さんと言えましょう(クリィミーマミから入った人間にとっては望月さんの名は今も特別です)。


演出的にも素晴らしくて、ゆったりとした間の取り方、江戸時代らしい暗さの描写に力が込められていたのが印象的でした。暗く影が多い画面ってのは、普通は登場人物の内面描写を兼ねていて、多用すると「あざとい」「うざい」感じになりがちだと思うのですが、この作品の場合は、内面描写というよりも現実感/江戸時代感を出す方向に主に使われているので(内面描写が無いという意味ではないです)、そうした嫌な感じは受けなかったですね。


リアリティということでは、美術も良かった。畳や障子紙がこれだけきちんと描写されている作品ってTVアニメではちょっとなかった気がします。


キャラデザがあんなだから萌え系は全然期待していなかったのですが、お絹や秋津の妹・幸などがかわいらしくて、そこも良かったですね。周囲がむさい男ばかりだから、その分、光ってました(笑) そうそう。ギャップということでは、最初に予告見た瞬間に爆笑して、飲んでいたコーヒーを吹いてしまいましたよ。あれは卑怯だw


何だかんだと書きましたが、とにかくお勧めです。こういうアニメが見られる国に住んでいて良かったなぁ。

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