2009年6月4日木曜日

ZFSの負けなんて書いてないけどな

2chのUNIX板を読んでいて、次のような書き込みがあるのを発見した。世の中の誰からも嫌われている自覚はあるし、これまでも書いた記事については常に批判/非難/侮蔑の声しか聞いたことがない。今回の記事も同じだったわけだ。



2ch UNIX板「なんとなくSolaris/x86 part15」より

282 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/05/23(土) 17:27:02 
日経Linux最新号買った?
brtfs vs ZFS のがちんこ勝負。
結果は ZFS の負け。
理由はファイルシステムをマウントしたままデフラグができないからだそうだ。
え?

290 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/05/23(土) 22:29:18
原付自転車と普通自動車を比較して。
ヘルメット収納スペースの有無で比較されてもなあ。

291 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/05/24(日) 03:00:10
アフォ記事真に受けてLinuxを採用して泣く馬鹿が増えますように

292 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/05/24(日) 04:03:20
バターはまだ実用段階に至ってないはずだよな
そのアフォ記事書いたライターは誰なんだ?

293 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/05/24(日) 12:34:16
日経Linux、記事の質落ちた?



私が書いた記事には、冒頭にZFSについて触れた個所があるが、その文章と機能比較表が問題になったようである。「ようである」と書いたのは、「ZFSの負け」なんて書いたつもりはさっぱり無いからである。以下に、該当部分の本文と機能比較表を挙げる。なお、誌面に掲載した機能比較表ではXFSのオンラインデフラグ機能に「×」を付けるというミスをしていたので、その部分は訂正してある。


「日経Linux 2009年6月号」特集3 Part1の一部

「Btrfs」は,データを安全に更新できる「Copy on write型」(後述)のファイル・システムだ。米Oracle社のChris Mason氏が中心に開発している。これまでファイル・システムとは別レイヤーで実装されていたRAID(冗長化ディスク・アレイ)機能やスナップショット作成機能をBrtfsでは包含するなど,機能豊富なことも特徴だ(表1)。


BtrfsはLinuxの次世代ファイル・システムの本命と見られている。Linux開発者らに公開されたのは2007年6月12日で,それから2年も経たない2009年3月23日にリリースされたカーネル2.6.29で取り込まれた。Btrfsのように比較的大規模で,(実績もなく)ゼロから開発されたファイル・システムがこれだけの短期間でカーネルに取り込まれるのは異例中の異例。カーネル開発者らのBtrfsへの期待が高いことがうかがえる。


Btrfsの仕組みや機能は「ZFS」とかなり似ている。ZFSは米Sun Microsystems社のUNIX OS「Solaris」に実装されたファイル・システム。2004年の登場以来,その先進性から,Linuxカーネル開発者の間で度々話題に上るほどのインパクトを与えていた。2005年にオープンソースで公開され,MacOS XやFreeBSDなど他のOSにも移植されている。しかしZFSのライセンスがLinuxカーネルが採用する「GNU GPL」ライセンスと適合せず,Linuxカーネルには移植できない。ユーザー空間で稼働する移植版はあるものの,それでは性能が出ない。そこでライセンスにGNU GPLを採用するBtrfsがクローズアップされた。


Btrfsはいまだ開発途上で,安定稼働にはほど遠い状態。しかし,2009年5月26日にリリース予定の「Fedora 11」で利用可能になるなど,徐々に利用環境が整ってきている。
















ファイル・システム名Btrfsext3ext4xfsjfsZFS(参考)
メタデータ・ジャーナリング*1*1
データ・ジャーナリング*1××*1
動的inode割り当て××
エクステント対応×*2
スナップショット作成×*3×*3×*3×*3
遅延アロケーション××
チェックサム×*4××
透過圧縮機能××××
オンライン・デフラグ*5×××
RAID機能××××
対応RAIDレベル0, 1, 100,1,5(RAID-Z),6(RAID-Z2),10
ボリューム管理機能××××

表1 主なLinuxファイル・システムの機能比較 参考としてZFSも挙げた。BtrfsとZFSが極めて似ていることが分かる。


相変わらずひどい記事なんだろうが、少なくとも「ZFSの負け」と書いたつもりはないし、「brtfs vs ZFS のがちんこ勝負」という記事のつもりもない。2chに投稿した人の怨念は感じるから、過去に私の記事で相当迷惑をかけた人なのだろうね。まぁ、会う人ごとに「死ねば」みたいなことを言われる私だからこんなのは日常ですが、編集部に迷惑がかかるといけないので、事実誤認(と私は思う)は正しておこうと思う。

9 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

気になさらない方が良いですよ。
読者も十人十色、筆者様が意図しない方向に解釈することもあるのでしょう。
この件においても「比較=勝負」と勝手に解釈してレスしたのでしょう。
比較は比較に他ならないのですけどね。
私は純粋に比較、参考記事として拝見させて頂きましたよ。
細かいことは気になさらずに、これからもお仕事頑張って下さい。

匿名 さんのコメント...

この手の表って、例えば自社製品を
他社製品と較べて優位にみせるために
使うもんだよね?
実際、Btrfsに○がつく項目を集めた表に
なってるわけだし。
Btrfsの良さを伝えるための表でしょ?

そういう意味では「勝ち負け」というか
優位性を出すための表であるのは明白。
字面で負けと書いてないとかじゃなく。

まー、そもそもBtrfs/ZFSと他のFSは仕組みが
違うものだから、機能比較するんじゃなく
仕組みの違いで出して欲しかった。

sueyasu さんのコメント...

コメントありがとうございます。

「Btrfsの良さを伝えるための表」というのは確かにその通りです。ただ私の気持ちとしては,既存のLinuxのファイル・システムと比べる方がメインで,ZFSに対して優位性を主張している表と読み取られたのは完全に予想外でした。いい勉強になりました。

ちなみに「仕組みの違い」による表ってどんな風になりますでしょうか。簡単なもので結構ですので,項目だけでも示してくださると幸いです。

匿名 さんのコメント...

仕組みというと
CoW, VolumeManager/RAID融合,
snapshot/clone, 128bitアドレッシング
などなど。

特にVolumeManager/RAID融合については、
そもそもレイヤが別のもので、
分けておいた方がいい面もあるはず。
もしろん、融合したことによって
得られるメリット(チェックサムとの組み合わせ等)も
非常にあるわけです。

こういうのは単純な機能の有無じゃないわけで。

sueyasu さんのコメント...

どうもありがとうございます。Btrfsについては、本文で「CoW」と「snapshot」、「RAID」について解説したのですが、ZFSについてもそういった解説をやれということですよね? ごめんなさい。正直、ZFSは「流れ」を示すためだけに出したので、そこまですることは毛ほども思ってませんでした。改めて考えてみると、ZFSのことを本当、軽く扱ってますね。「Linuxとは関係ないし」という意識があったんでしょうね。

匿名 さんのコメント...

UNIX FSからの流れのext2/3などと、
まったく仕組み(アプローチ)の違うZFS/Btrfs
これは機能比較よりそのアプローチの違いを
はっきり示して欲しいというのが先ず最初にあります。

で、BtrfsとZFSは機能の違いを表にして
示すのはいいと思いますよ。
ext3等を含めて表にするのではなく、
この2つを比較する表です。

もちろん、Btrfsのいいとこを示す表にはならないでしょう。
Btrfsはまだまだ開発途中というのもありますからね。
でも、ZFSが実装してる機能は、将来Btrfsが
実装するであろう機能とも言えるので、
決して悪くない紹介になるかと。

このブログでやってみてはどうでしょう?
もちろん、ZFSもBtrfsも最新のバージョンで較べるということで。

匿名 さんのコメント...

こんなアホがZFSの記事なんて書けるわけないだろw Linuxの糞溜めから出られると迷惑だ

sueyasu さんのコメント...

直前の匿名さんが仰るように,私がZFSの記事を書いても荒れるだけでしょうからやめておきます。せっかくご提案くださったのに申し訳ありません。

匿名 さんのコメント...

比較表に重複排除の項目入れるべきかと。
あと、ZFSの最大の泣き所はボリュームの拡張は出来ても縮小が出来ない点。